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3番目にすり減るパーツ -1-【リップケア・ドラッグストア編】

天気予報よりもどこかのお宅の庭木よりも、ドラッグストアで季節の進み具合を思い知らされるときがあります。リップクリーム・ハンドクリーム連合軍と制汗剤・日焼け止め同盟軍の所有面積が逆転するのを見て、冬が苦手な人間としてはつかの間の平和を実感するのです。

でも色とりどりの栄華を誇ったハンド&リップクリームの棚がじわじわと追いやられるのは、それはそれで淋しいものがある。秋になってリップクリームの小さなパッケージたちが、お行儀よく壁面に並びながら日ごと仲間を増やしてゆく姿はそれだけで可愛らしいものです。どっちの味方なのかと怒られそうですが、わたしの所属は夏でも保湿が欠かせない乾燥肌王国です。

リップクリーム、リップバーム。
人によって『大好きなので集めても眺めても楽しい』だったり『うっかり忘れて慌てて出先で買うから増殖』だったり『べつに好きじゃないのによくなくすからしょっちゅう買っている』だったり、いろんな関係性がありそうです。なんだかんだで戻る腐れ縁の1本があったり、幼なじみのような1本があったり、普段は手に取らないけど困ったときだけ泣きつく1本があったりしませんか。
化粧品の好みって本当に個人でそれぞれ全然ちがうし、好きなものを使うに限ります。
ただ、仕事、となるとちょっと違った選び方をするときもある。

くちびるはとにかく働き者です。
いちばん大事な商売道具のひとつというか、もうとにかく使う、ずっと使ってる、(たまに本当に)すり切れるほど。酷使するパーツ第3位[*1]だと思う。
なのに、長いコースなら数時間単位で無防備なままで刺激(摩擦に次ぐ摩擦、固い体毛やその断面との摩擦、唾液まみれからの乾燥、なんらかの液体の付着など)にさらさざるをえない。自分の一部ながら申し訳なくなるほどです。せめていたわりたいので、保湿・保護するものはついたっぷりめにしっかりガッツリ塗ってしまいます。どうせ舐め取られる運命だとしても。
そこに味や香りがついていると、にぶい、うとい、ボーッとしているの三拍子揃ったわたしのお馴染みさん(ごめん)でもさすがに気がつくみたいで、くちびるの味に興味を示されたり、コメントされることはけっこうあります。

じゃあとりあえずなんでも無香料のものなら無難でしょう、と思うとそうもいかないらしい。皮膚科で処方されたプロペト(ワセリンを精製したもの)でも「この味なんだろ?」と怪訝な顔して言われることはあります(もしかしたら、感触や他の要素に反応しているのかもしれません。普段自分の唇にそういったものをつけてケアする習慣がまったくない人もいるので、慣れていないと違和感の正体を正確に捉えられない、ってこともありそうだなって思う)。
むしろ少し香りがあった方が「なんかおいしい匂いする〜♡」なんて反応がよかったりして。へえ〜。

心理的な面での負担をさておけば、キスはSTI的な心配度も負傷する確率も比較的低いセーファーなプレイなので、ちゅっちゅするのを楽しんで時間を割いてもらえればこちらにとってもとりあえずプラスです(発症中の口唇ヘルペス[*2]とかがなければだけどな!)(あとテクニックのつもりで噛んでくるやつの前歯が明日起きたらスポンジになってますように)。とくにデリのロングコースなんかだと、そういうペース配分ていうか、大事なときあるよね。
香りは感じ方に差があるうえに好みがあるから難しいものだけれど、なんのフレーバーか当ててもらったり、どれが好きか考えてもらいながら何度もキスをしてプレイのひとつにすることもできますし、うまくいけば仕事の役に立ってくれることも多いです。あとは唇どころか顔面を隅々まで舐め尽くそうとする人に当たらないことを祈るばかりさ。ねえあれ本当にまじでなんなんだろうね。あのー、行灯の油を舐める江戸時代とかの妖怪っているじゃん? あれが現世によみがえって化粧品の油分を求めているのではないかね? わたしが神なら彼らの舌に魔法をかけて、自分のおでこや鼻の頭が舐められるようにしてさしあげるのに……。

妖怪に出会ってしまったらもうどうにもなりませんが、人間のお客さん&自分向けにいろんな都合の折り合いを探りながら試し続けているいろんなリップアイテムについて個人的で勝手なことをワーワー言おうと思います。
おすすめというよりも、わたしが楽しいひとり語り(にしかならなくない?こういう直接からだに使うものって『いい悪い』じゃなくて『合う合わない・好ききらい』の話しかできないよね〜)です。せめても最初に椎名のリップ選びあるあるを書いておくのでよかったら目安にして読んでください。

☆ 夜勤務なのでSPFは不要
☆ 原料のにおいがする無香料よりもフレーバー付きを取るタイプ
☆ 2つ以上持ち歩くのも平気
☆ メントールの清涼感やプランパー系の刺激が苦手
☆ 植物油+なんらかのワックス、という作りのものに気に入る製品が多いのでコスメキッチン的な場所で財布のヒモを緩めがち(その最中は「あたい優しい風俗嬢だからてめえらの口に入るアイテムはできるだけナチュラルなやつにしてやんよ感謝しな」と客のせいにしている)
☆ 持ち客のみなさんは全体的に甘いフルーツ系の香りが好きなようだ、食いしん坊か

じゃあ行くよ!なんども言うけどぜんぶ個人の相性と感想、私以外私じゃないよ!!

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くさくても犬はかわいい【イソジンではないうがい薬】

イソジンうがい薬をめぐる悲喜こもごもをブツクサと書き綴ったところ、読者の方が掲示板に書き込んでくださいました。
(かぎカッコ内はわたしが書いた文の引用です)

イソジンについて
「というわけで、低コストでそれなりの効果が得られるイソジンを上回る方法はいまのところ見つかっていません。早急な開発が待たれる。」
アズレンうがい液はどうでしょう?

アズレンうがい液。なんか効きそうな名前……でもどこかで聞いたことがあるような?

と思ったのは気のせいではなく、わたしはすでに人生で「アズレン」に出会っていました、何回か。

  • はるか遠い昔、酷い口内炎ができた時に「お口の中が青くなってもびっくりしないでね〜」といって処方してもらった確かに青くてかわいい錠剤、そのときの説明書きの紙に「アズレン」という字を見た(そして効いたのでアズレンは神だなと思った)
  • それなりに遠い昔、まだ新宿伊勢丹の地下にBPQCがあったころ、watosaでメイクをしてもらった時につけてもらったクリームが青い色をしていて、BAさんが「これは見た目がオシャレだから着色してるわけではなく、消炎作用があるアズレンという成分がもともと青いんでございますよ」って説明してくれた(化粧もオシャレもよく分からない10代だったので1万2000円のクリームにすっかり怖じ気づいてうわの空だったが、帰り道で「いつかの口内炎…」と思い出した)
  • 数年前の昔、心休まる趣味でもほしいわと思ってアロマテラピーの本を読んでいたとき、カモミールの項目でなんか出てきたような気がする(カモミール青くなくない?とか思ったので覚えている)(そういうことではないのですね)(精油の世界はたいへん奥が深く、ハマるとひと財産なくしそう……と思うと心休まらなかった)

そんな因縁のアズレンと満を持してふたたび向き合う日が来たのである。感無量である。意気揚々とわたしはamazonで注文しました。というわけで今回はアズレン系うがい薬についてのおしゃべりです。

【第3類医薬品】浅田飴AZうがい薬 100mL
Posted with Amakuri
ASADAAME(浅田飴)
ウイルスよりも「ウィルス」のほうが軽やかなノリでためらいなく人を殺したりしそうな気がする
【第3類医薬品】パープルショットうがい薬F 50mL
Posted with Amakuri
白金製薬
「パープルショット」ってちょっと昭和の歌謡曲っぽくないですか
尖ったファッションのお姉さんにかっこよく歌ってほしい

意気揚々と買ってはみたものの、ずいぶん長い間こうして記事にできなかったのは、試すのが難しかったからです。お客さんに頼んでもいいけれど、前回しつこく書いた通り「店のルールの範囲内で、あくまで店のフィールドで遊んでもらう」ことで身を守っているわたしなので、そうそう誰彼構わず「ちょっと今日は店のイソジンじゃなくわたしの私物を試してみて♡」ってやりたい気持ちにはなれない(これしきのイレギュラーで「俺は特別なんだ」感が引き出されてしまうことも珍しくないですから、慎重を期さないと下手したらこちらが要らない苦労をします)。
やれる相手だってもちろんいるけれど、そういう良い人は検証したいほどの口臭とかなかったり……するんだよね。ふふふ。

そんなこんなでしばらく時間がかかりましたが、なんとなーくの実験結果を発表します。

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