まじめなはなし

わるいひと、こわいひと、よわいひと、普通の人

twitterにpostした投稿をつなげて少し加筆したものです
(プレイ中の盗撮について、被害にあった人が互いに経験を話したり情報交換をすることで対策の手がかりにしたいけれど、twitterなどでそれをすると悪意のある人の目に触れた場合に手口の参考となってしまうことが怖いね、という話題から)

具体的な対策の話したいよねってさっきも書いたけど、こういうとこだと悪い人がそれ見ちゃうかもしれないのがいやだよね。やり方教えちゃうみたいなのがさ。昨日、ほんとうはもっともう少し、話したいことがあった。あったけど、書けなかった。どうしても、ヒントになってしまう、と思って。書けなかった。それは「盗撮を目論んでいる悪い人間がこれを読んでいるかも」という考えから、だけではないんだ。

わたしが意識してしまうのは、「客になりすまして近づく悪い考えを持った者」「客の中にいるモラルの欠如した者」のことももちろんそうなんだけど、それだけじゃなくて、ごく普通の善良なお客さんとか風俗を利用しない人の中にもそっと潜んでいる「出来心」のことなの。誰にでもきっとそういうことはあって、その瞬間に「自分にも可能な具体的方法」を知っていたら、知らないよりずっとずっと簡単に落っこちてしまうと思う。それはそいつの心の弱さだ!みたいに思う人もいるかもしれない、でもわたしは自分にもそれが存在するってはっきり感じるし、心は弱いのが普通だ。

接客をしていて「ああ、今のこの瞬間はとても素敵だな」って素直に思うことはわたしにもまああって、そういう時のわたしの身体は踝ひとつでも正直に綺麗なんだろう。それが決して留めることのできない一度きり即興生演奏のものだから美しいってことや、そうさせているものが何なのかもわたしは場数を踏んでるから解っているけれど、お客さんにとってはただただ「この瞬間をなんとかして保存できないか」と思ってしまうこともあるだろう。写真を撮らせてはくれないかと、実は実際によく言われる。責められない。遠慮がちに申し出た彼らのほとんどは断ると納得してくれる。わたしがNOと言ったらそれはNOだと知っている。

でも、静止画の中に閉じこめられたわたしに焦がれる気持ちに、どこか共感できなくもないんだ。そんなことしても少しもいいものじゃないよ、後から見返してもこの気持ちにはなれないよ、頭の中に残る美しい女と、そこに写り残る平凡な女とは時が経つほどにかけ離れてゆくばかり、色褪せるばかりよ、と思う。でも彼らはそのことを知らない。

それでね。もし、もしも、それを、わたしに決して気づかれることなく、傷つけることなく、そっと世界中で自分だけの秘密として実行できるとしたら?
その手段が、具体的な方法が、もうすでに頭の中にあるとしたら?

うん。わたしを裏切ってしまう人が、少し増えるかもしれないんだ。

 

それでもわたしはその行為自体を到底受け入れられはしない。わたしの了承なくわたしの姿を撮影することは誰にも許せないし、記録されたものがこの世に存在することを拒否したい。絶対に。「そんなの現実的に無理、きっと既にされてる」って意見は聞きたくない、わかってる。嫌だ!って話をしてるんだ。

「わたしに決して気づかれることなく、傷つけることなく、そっと自分だけの秘密として実行できる具体的な方法」は、おそらくもうとっくにいくらでもあるんだよ。だから、少しでもその手がかりになるかもしれないと思うと、やっぱりわたしは口が重くなる。

で、そのあたりのことをもやもや考えるところへ、その上へばーんと出てくるのが本題というか何というか「客になりすまして近づく悪い考えを持った者」「客の中にいるモラルの欠如した者」のこと。

まさか対象が嫌がらないという考えの元「盗撮」をする人間がいるでしょうか。彼らはやってはいけないことだと知らないでやっているのでしょうか。 RT おそらくそれを撮られる人が凄くいやがっていて、犯罪であるって事を広く知ってもらう事が最大の予防になるんじゃないかな?

「盗撮はやってはならないことです」「された人は嫌な気持ちになります」それを教育するのさえセックスワーカーの仕事にするのか。ちゃんちゃらおかしいよ。「盗撮はいけないことです」「それをネタに対象者をゆするなんてもってのほかです」なんてことを、わたしたち自身が声を上げてゆくことで事態が効果的によい方向に向かうとはあんまり思えない。そんなことは誰でも知ってる。知っててやるんでしょう。

最近話してる「お手軽で低コストな盗撮・盗聴」(注:プレイ中のスマートフォンによる盗撮、その用途に非常に適したアプリの存在が周辺で話題になっていました)だって、されるかもしれない対象者っていうのはなにもセックスワーカーだけじゃ全然ないものね。わたしが初めて隠し撮られることを意識したのは義務教育中の年齢だし、男の人だって撮られないなんていえないよ。

「悪意を持った人が見ている可能性もあるから」だけでは全部じゃないんだよね、ってことを言いたいと思ったんだった。

 

(タイトルは井上陽水奥田民生風によんでいただけると幸い)

2012-04-14 | カテゴリ まじめなはなし | | Comments Closed